京都市保健福祉局生活福祉部長はんに、「生活保護法上の救護施設」新設を巡っての公開意見書並びに質問書を出しました

 

 

 

 

 

京都市保健福祉局生活福祉部長机下

 

 「生活保護法上の救護施設」新設を巡っての

公開意見書並びに質問書

 
 あけましておめでとうさんで御座います。日々、京都市の保健福祉並びに生活福祉行政に良い一年に為るようにいきまっしょい!!!!!!

 私たちは、1976年設立の精神病患者会前進友の会と申します。また、患者会が設立母体運営主体となっている作業所とも為っております。43年間活動拠点としていました山科の日ノ岡から、2019年の10月伏見の石田大山に引っ越して参ったトコロです。今回建設予定されております「生活保護法上の救護施設」とは、距離にして、200mか300m、徒歩三分か五分ほどの距離に居ります。コレもナニかの御縁でしょうか。地域として地元であり、精神病者の患者会として身近であると、言えましょう。ジックリとおつきあいくださいませ。身近な精神病患者会として、予定施設の運営内容等々の充実や、そもそも、何故このような施設が必要なのか等々も含めまして、疑問点を解消しつつ、微力ながら生活保護と障害者の生活の充実に向けて、協力を惜しまない決意と覚悟でございます。一概に反対しているわけでもなく、一概に賛成しているわけでもありません。ただ、もし実際に運営運用されるのでしたら、その入所者の皆さんの実際の待遇、生活実態、処遇の実態、施設の運営実態、退所実態には、精神病者の患者会としては、極度に強い関心を持ち注視せざるを得ないと云うことです。ですので、是非とも是非とも、以下の点について、京都市保健福祉局生活福祉部長におかれましては、真摯に文書にてその存念をお答えしていただき、また、話し合いの場を設定していただくことを、切に要望いたします。

 ❶「生活保護法上の救護施設」とは、2017年10月段階において全国に186か所在るものの現在は京都市は実施施設がないとの現状において、過去には実施していたのでしょうか。そして、今回、運営団体を公募するとのことですが、そもそもの京都市の設置意図はナンなのでしょうか。また、実施における予算規模、並びに市議会においての議事の中味を、市議会に於いての市側の説明の中味についてお尋ねいたします。

 ➋また、「平成三十年度」の設置の取り組みにおいては向日市住民からの反対により頓挫したとのことですが、その経緯もお知らせください。京都市の施設を向日市ギリギリに計画したり、今度のように宇治市ギリギリに設定するのは、偶然なのでありましょうか。如何なものなのでありましょうか。

 ❸更には、現在下京区にある「中央保護所」為るものは、どのように運営され、また、実際の入所者の皆様は、どのような感想を御持ちであったか、お知らせください。そもそもその「中央保護所」が現在も稼働しているのかどうかも、お尋ねいたします。過去において「生活保護法上の施設」が閉鎖された事実はあるのでしょうか、お尋ねいたします。

 ❹更には、また、2021年11月19日に町内会役員に対する説明会が行われているそうですが、その内容をお知らせください。その時の配布資料も頂けますでしょうか。現在、建設予定地直近の京都市側の町内会と宇治市側の町内会が建設反対意思を表明しているとのことですが、その理由を如何に考えておられましょうや。例によって例の如くの『官僚らしい上から目線の不親切な結論ありきの説明会』が地域住民の皆様の反対のキッカケになったのではなかったかと危惧しております。

 ❺また、京都市の生活保護行政一般の中においてのこの事業の位置づけと共に現況の生活保護行政の問題点はないのか、を、お尋ねいたします。特にこの『コロナ禍下』においては、生活保護受給の掘り起こしこそ必要であって、問題と為りヒンシュクを買った亀岡市のような『保護打ち切り』『水際作戦』或いは『受給者や家族への嫌がらせ』等々の行為は、もってのほかと考えます。

 ❻そもそも、どうしても『生活保護の救護施設』が必要なのであらば、この際、巨大な収容施設をつくるより『施設としては小さいながらも開放的なモノをたくさんこしらえて』と云う方向性については如何お考えでしょうか。

 ❼2017年10月段階の救護施設利用者の障害状況を見ますと、全体16,465名のうち「精神障害のみ」41.1%6,744名「身体障害+精神障害」5.0%818名「知的障害+精神障害」9.4%1,544名「身体障害+知的障害+精神障害」1.9%317名であり、全国186か所に16,465名が収容されており、そのうち精神障害があるものは57.4%9,453名と、現実はかなり精神障害に偏っている事が分かります。また、年齢別に見ますと、65歳以上の年齢層に為ってオリマス。これはひょっとすると新たな『高齢な貧困な精神障害者収容政策』ではないかと勘繰ってしまいます。他障害に比べて精神障害が6割近くを占めるのは何故なのでしょうか、お答えください。生活保護を受給している貧困な高齢な、精神病患者はキケンな存在であると、見做しておられるのなら重大な看過できない問題であると考えます。

 ❽それとも、これは、もしかすると、「生活保護」をアベチン政権がイジめすぎ、流石に減額をやり過ぎたと云うことなのではないでしょうか。そしてまた、実は所謂『65歳問題』なのではありますかまいか。『自立支援法』から65歳を持って無理やりに『介護保険法』に移行させて、実際は福祉制度の今まで使い得ていたモノがムリヤリ引きはがされるが故の生活困難であり、結果、障害者の街での自立した生活がたちゆかなくなると云う事ではありますまいか。福祉として使えるものが激減してしまい、もはや、街の中で暮らすことが困難になってしまったが故のモンダイなのではないのだろうか、と、『生活保護障害者65歳棄民問題』なのではなかろうかと、危惧しております。障害別と共に、年齢別の利用者さんの資料はないのでしょうか。是非ともお伺いします。更には、この点どのようにお考えかお尋ねいたします。統計資料として『65歳以上の精神障害者』が、有意に多数を占めているのであれば、その訳を如何にお考えかお尋ねいたします。

 ❾うがった見方をすれば、精神障害者が他障害に比べ、65歳時の福祉の引き剝がしがヤリヤスカッタと云うコトではありますまいか。精神病院が長期収容してガッポリ儲けてきた患者さんを、今度は「不良債権」だとバカリに『退院促進』の美名のもと『棄民』している結果ではありますまいか。「スーパー救急」「三か月回転ドア入退院方式」で『棄民』しているからではありますまいか。もちろんもちろん障害者全般、母子父子家庭、一般市民の皆々様まで、ここ十年程で、ココまでココまで、貧窮してきた、困窮してきた、時の政権に大企業にクルシめられ続け、痛めつけられ追い詰められ続けてきたと云う事は言うまでもありますまい。だとするならば、「救護施設」に入所該当するような困窮した皆様は、増えこそすれ減っているわけではないと考えられます。特に直近の『コロナ禍』なら、猶更のことと、、、ならば「中央保護所」を閉鎖して以来その人々は、一体ドコに消えたのでありましょうや。府の一カ所ある同様施設なのでしょうか、それとも周辺市町村の同様施設なのでありましょうか。いずれにしろ、ソコも満杯になってきたと云うことではありますまいか。

 ❿とすると、この状況を前提に新しく「生活保護法上の救護施設」を新設するということは、一概に賛成も反対も出来得ないながらも、実際の運用実態には外からの監視の眼は絶対的に必要になると云うことではありますまいか。さもないと、さもないと、コレは新しい公設民営の半官半民の自治体立民営の『公共の貧困ビジネス』『公設貧困ビジネス』になってしまわないでしょうか、どうお考えかお尋ねいたします。我々は、特にこの点を重大視しております。精神病患者の被害妄想とは切り捨てられない、切々と迫りくる新たな『公共貧困ビジネス』に為ってしまわないのだろうかと、、、、ソコに入れられる日が何時か来るのではなかろうと、、或いは入れてはもらえないと断られる日が来るのではないかと、、、生活保護受給の精神病者として六十五歳を迎えるのが恐ろしいのであります。これは、ゲンジツのモンダイであり、切実なモンダイであり、必ず来る身近なモンダイなのであります。ご縁としか言いようのない事態なのですが、二年前に引っ越してきて、徒歩5分ぐらいの場所に建築が計画されていることを知ったわけですから、コレは運命なのでありましょう。

 ⓫繰り返しますが、我々は、1976年設立の精神病患者会として、長く長く四〇年以上、精神病者の人権の確立のために闘ってまいりました。その一環として患者会設立運営の共同作業所を現在まで維持してまいりました。それは、すべて、『精神病者が無理やり精神病院のなかに長期間閉じ込められることなく、「ワシ等の街じゃあー」と、我々の意思で自由に街や村で暮らせる愉しく愉快にニンゲンらしくセーカツしていく』ことを目指して来ました。特に人里離れたようなところでの巨大な精神病院や入所施設の建設には反対してまいりました。これまでの福祉や医療の実際からすれば、巨大な施設は「医療施設」「福祉施設」というよりは「強制収容所」と為ってしまってきた歴史があると考えます。今回80名定員の三階建ての施設を予定されているようですが、本当にこのような巨大な施設が必要なのでしょうか。巨大な80人収容の三階建ての収容施設をつくってガチガチに管理するより、それより、例えばそれぞれの地域に応じたカタチで街の中に8名位までの定員のケアホーム、ナーシングホーム、グループホーム等々のようなものを十カ所つくって、それぞれの地域の中で自由に暮らしていける、また入所者の自治会をつくって若干でも入所者自治を担保していきながら、『施設としては小さいながらも開放的なモノをたくさんこしらえて』出来るだけ自由に街でセーカツしていく。そのような方向性はアカンのでしょうか。

 ⓬更には、一日のモデルスケジュールが公表されているようなのですが、ココにもし入所させられたら、朝の7時から夜の22時の就寝に至るまで、コのようなスケジュールに沿って全く自由のないような生活をしなければならないのでしょうか。自分自身が全く興味の持てない作業を強要されることに為るのでしょうか。自分の信頼する精神科の診療所や病院の主治医に自由に診察に行けるのでしょうか。今まで行っていた作業所や内科の病院やデェイケアに自由に行けますでしようか。また、自由に友人たちと面会できるのでしょうか。自由に外出や外泊は出来るのでしょうか。面会、外出、通信、行動、等々の自由は、徹底的に担保されなければならないと考えます。

 ⓭また、入所者さんの入所日数の資料を拝見したいです。更にはまた、退所にあたっての「出処進退」は如何であったか、街に戻れ得たのか、更なる次なる別の施設や病院に入所入院になったのか、それはどのような施設や病院であったのか、本人の意思は如何に担保されたのか等々の実態を知りたいものです。

 ⓮更にまた、「令和二年度」に公募したが、実際に応じた事業者が無かったとのことですが、公募を募る側として、応募する事業者が無かった事態をどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。

 ⓯最後に、もし、公募に応じた事業者が出られた場合、その事業者の団体名、所在地、代表者氏名をお知らせください。


 

以上十五点

真摯な文書による回答とともに、話し合いの場の設定を求めます。

 


 目次のページに戻る
inserted by FC2 system